こちら、ストソン探偵事務所。

ストソンこと、ストアソングを探究するサイト。

ストソンの役割

スーパー、コンビニ、ドラッグストア…いろいろなお店で何気なくかかっているストソンですが、ただかかっているわけではない(はず)!その役割とはいったい何なのか。
当事務所では、大きく分けて4つの機能があるのではないかと考えています。

①買い物を促す楽しい売場の演出

②ファンづくりの仕掛け

③レジ待ちなどイライラタイムのクッション

時報 for 従業員

 
以下、それぞれの項目について考察していきます。

①買い物を促す楽しい売場の演出

現在、買い物は実際のお店(リアル店舗)に行って商品を選んで買って持ち帰るほかに、インターネット上のお店やモールで"ポチる"という非常に気軽な方法で済ませることができるようになりました。

家を出ずともモノが買える。しかも、ネットの方が価格がお安かったりしちゃう。買う側にとっては、願ったり叶ったりな世の中ですが、実際に店舗を何百店、何千店と展開している小売企業にとっては、基本「やべえ」状況に他なりません。リアル店舗は、わざわざお店に足を運ぶ理由を用意しなければならなくなったのです。

リアル店舗に行く理由、リアル店舗の魅力として見直されている要素はいくつかありますが、そのひとつとして注目されたのが「リテールテインメント」です。
リテールテインメントとは、「リテール(小売)」+「エンターテインメント」をくっつけた造語で、五感を刺激するリアル店舗ならではの売場の演出のこと。
カルディのコーヒーの試飲や、お店の中を歩くだけでも楽しい伊勢丹のクリスマスディスプレイ、ロフトの化粧品のテスターバー、スーパーの入り口で良い匂いをさせている焼き芋の香りなんかも、リテールテインメントといえるんじゃないかと思います。

ストソンも、音とリズムによって気分をワクワクさせて、楽しい買い物を演出するリテールテインメントの一環として機能しているんじゃないか、と当事務所は考えています。

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ネット VS リアル店舗の図式

②ファンづくりの仕掛け

インターネット界隈の発展によって、買い物環境が大きく変化した平成の時代。それと同時進行で、ドラッグストアで食品が買えるようになったり、コンビニで薬が買えるようになったりとリアル店舗での業種・業態のボーダーレス化はますます進み、小売業界は苛酷なサバイバル環境に突入しています。

そこで、お店側にとって、ますます大切になってくるのが、自店のファン、サービスや商品のファンの存在。
安いから、という理由で買う場所をホイホイ使い分けるお客さんではなく、「この店(商品・サービス)が好きだから、この店で買いたい」と、愛を持って買い物をしてくれるファンをどれだけ増やせるのかが、企業の生き残りに関わってくるわけです。

ストソンは、お店に来たお客さんの耳に残って馴染み、いつの間にか脳とハートに棲みつきます。好きなアーティストの曲でもないのに、気づけばやたら口ずさんでいる…口ずさんでいるうちに、何だか愛着が湧いてくる…
お店にいない、お店から離れている時間でも、店側がお客とつながることができる意外にも優秀なファンづくりのツールとしても機能しています。

③レジ待ちなどイライラタイムのクッション

ルフレジなども増え始め、効率的なお会計ができるような仕組みができつつありますが、まだまだ解消されたとは言えないのが、レジ待ちの長蛇の列。お昼や夕方など、店内が混み合うピークタイムに「あっちの列の方が先に進んでる…」と、思わずイライラしてしまうシーンもありますね。ありますよね。

ストソンは、店内で起こりうる、お客さんにとってのイライラタイム(レジ待ちの間や、店員に商品の在庫の有無を訊ねて待っている間)のクッションとしても機能するという説もあります。無音の5分間と、音のある5分間。ただ待つだけの時間に、気が紛れる上に、時の流れが早く感じられるのは、一般的には後者ではないでしょうか。

1日働いて疲れきって来店したお客さんの心に寄り添うような、やさしい歌詞やメロディが、ときに店員がフォローしきれないところをケアしていると言っても過言ではないのだ!

 

時報 for 従業員

そして、4つ目は時報としての役割です。ストソンの店内での流し方にはいくつかパターンがあります。ひたすら、リピート&エンドレスで流すパターン、有線などの合間に數十分に1回程度流すパターン、そして、1時間に1回、決まった時刻に流すパターンです。
1時間に1回、決まった時刻に流されるストソンは、店内で働く従業員に対して、時報のような役割を果たしています。

たとえば、埼玉県のドラッグストア セキ薬品では、毎時00分ではなく55分にフル尺で平成の名曲ストソン「元気出してよ」が流れます。あえて55分に流す理由は、1時間毎に決められたシフトで動くアルバイトやパートタイマーに、次の業務に取り掛かる準備を促すため。ストソンは、業務をスムーズに進めるスイッチとしての機能も担っていると考えられます。